一般社団法人日本接客アドバイザー協会

代表理事 阿部大 ~創立への想い~

日本がおもてなしの国と呼ばれて久しいですが、今から200年ほど昔の日本はおもてなしの精神は一般的ではなかった、と言うと驚かれるでしょうか。

東海道の御油、今の愛知県にあった地方では街道を歩く旅人を無理やり宿に引き込む「留女」という仕事があったと東海道中膝栗毛に描かれています。

どう見ても喜んでる顔には見えませんね

また外から中に入る際渡される濡れた手ぬぐい、これがおしぼりのルーツだそうですが、草鞋で汚くなった足でそのまま建物に入らないように綺麗にしてください、というのがそもそもの意味だったようで「どうぞひといき入れてください」という意味はなかったようです。

戦後すぐの闇市などもやはり店側が強かったようで店舗側の都合をお客様に押し付ける、これが日本の接客業界元々の姿だったようです。需要と供給で当時は需要が大きく上回っていたためそんな強気の商売でも成り立っていたようですね。それがまだ100年も建っていない前の話です。

日本は戦後の混乱期、店の都合だけでやっていけた商売から瞬く間におもてなしの国へと変貌を遂げました。その躍進は多くの接客指導者、オピニオンリーダーの努力の賜でした。

そして現在、業界にはDX(デジタル・トランスフォーメーション)の波がやってきています。ホテル、ショップ、飲食店それぞれタブレットを見ない日はありませんし、とても便利です。

この先ますますAIも進化し、人の体温や声のトーン、目の動きなどから最善の提案をしてくれる日も近いのでしょう。

そんな時代がもうすぐそばにあるからこそ、「あなたの接客を受けに来た」「おかげで元気になれました」という人の体温が感じられる人にしかできない接客のニーズが高まってきています。

私達接客アドバイザーは偉大な先人たちの意思を受け継ぎ、現場の皆さんの接客スキルを向上させるだけでなく、お客様とスタッフそれぞれが輝き、喜び合う瞬間をサポートし、それにより社会をより良くする使命があります。

SNSの普及により誰もが今日から接客指導者として活動できる時代となりました。その裏で、プロモーションだけで中身の伴わない接客指導者が増え迷惑を被る企業も出ており
「どの講師に依頼すればいいのか解らない、依頼するのが億劫だ」という声も聞かれます。

そのため、接客アドバイザーとしてのスキルを判断し、接客アドバイザーとして協会が認定する事によって、企業が安心して依頼できて、より良いサービスが溢れる社会の一端を担うため協会を発足いたしました。

当協会は接客アドバイザーを通じて社会を明るく、より良いものとするため活動しております。

代表理事の阿部大の写真

飲食店コンサルティング老舗計画株式会社 代表取締役

阿部大

1975年10月13日生まれ。

ホテル専門学校卒業後、ホテルレストランにてオープニングスタッフとして勤務し初年度よりクレーム対応などホールの中心的役割を担う。
その後接客の幅を広げるためカフェ、大手企業の保養施設、イタリアンレストラン等を経て2003年にダイニングバーを開業する。
3店舗、5業態と展開した後、東日本大震災により店舗縮小を決意する。
人と人とのコミュニケーションの必要性を感じ、カウンター席10席のみ接客特化型飲食店を開業し、密度の高いサーブをテーマに営業する。
そこで培ったスキルを発揮し、2012年第7回S1サーバーグランプリ全国ファイナリストに選出され東北を代表するサーバーとなった後、接客アドバイザーとして数々の接客指導を行い、現在は飲食店コンサルタントとして年間100件以上のコンサルティングやセミナーを全国で行っている。
接客マナーだけではない、お客様とサーバーそれぞれが輝く接客をモットーとする。